投稿日:2017.10.14 最終更新日:2023.04.12
四辺形間隙症候群
こんばんは。
ここのところ院の外での活動が時期的に多くなり、ご迷惑をおかけしております。
できる限り、院にいる時間も多くしていけるように考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
さて以前腕の痺れのことについて総論的に書かさせていただきました。
僕の方がバタバタとしてしまったために、その後詳しく書いていくことができておりませんでした。
時間のある時に継続して書いていきますので、気になる傷病名がありましたらもうしばらくお待ちください。
今日はその中の一つ、四辺形間隙症候群について書いていきます。
まず四辺形間隙がどこにあるかと言うと、肩の後ろ側、脇のところに位置しています。
上腕三頭筋の長頭・上腕骨・大円筋・小円筋の4つに囲まれており、間隙の形が四角形をしているところから四辺形間隙(クワドリラテラル)と呼ばれています。
また後方四角腔とも呼ばれています。
肩関節外転位において、内旋・外旋を繰り返すことで、四辺形間隙を通過する腋窩神経を絞扼し、腕に痺れや重だるさが出現します。
肩の疾患の中で診断されることは少ないものですが、腋窩神経は肩の動きに関わる三角筋を支配している神経です。
そのため、腋窩神経が絞扼されると肩が挙げずらい、肩の外側に違和感を感じるなどの症状が出ます。
腕が挙げずらい場合には、腱板の異常の方が確率としては圧倒的に高いのですが、腕が挙げずらい=腱板損傷と言うわけではない可能性もあります。
四辺形間隙症候群は絞扼性の障害のために、周りの筋肉に硬さが出ていることが多く、特に小円筋に硬さがあると絞扼を引き起こす可能性があります。
腕をよく使う場合に見られる疾患でもあり、野球やボート競技などに多く見られます。
仕事で腕をよく使う場合でも起こりえますし、肩の打撲により発症することもあります。
当院では肩の動きに対して痛みや違和感を感じる場合には、肩甲骨周りの筋肉、特に棘下筋・小円筋の状態の確認はしっかりと行っております。
四辺形間隙の隙間が元通りになることで、絞扼による神経の締め付けは弱くなっていきます。
肩から腕にかけて症状がある方で、患側の三角筋が委縮している場合にはこの四辺形間隙症候群の可能性があり、腋窩神経の作用が悪くなっていると考えられます。